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[写真]旧複合ビルA邸 / 再生建築

旧複合ビルA邸 / 再生建築

築40年を経過した鉄筋コンクリート造3階建てビルの再生建築である。車の通りが激しく、人通りも多い交差点角地に立地している。1階から3階までそれぞれ住宅とテナントの用途が絡み合う複合ビルであるが、再生後は、テナント経営は行わず、夫婦二人の専用住宅にしたいとの要望であった。近隣に住居を構えるに十分な敷地を所有されていたが、長年住み続けた場所と建物を手放すことはできず、再生建築へと踏み切った。このビルに夫婦二人で暮らすことと将来のことも考えると、建物は平屋で十 分な広さを確保できる。2階、3階は二人にとって、余剰な部分となり、このまま維持をし続けるには不安が残る。そこで、3階建ての、2、3階部分を解体し、1階建てとすることとなった。再生建築の手法については、様々に方法があるが、今回の手法は減築である。構造調査を行った結果、コンクリートの強度も十分に確保できており、また、減築により、建物の重量が激減し、耐震性能も向上する。住まい手の思い出を継続させ、建物の持つ命も延命化することができる。さて、設計にあたり、いくつかの点に重点を置いている。道路に面して建物が立地しており、人通りも多いため、常に人の目にさらされている。再生前はテナントであったために、これが効果的であったのだが、専用住宅となるといささか抵抗があるとの指摘があがる。そこで「閉じながら開く」方法として、屋根面にトップライトを取ることによって、開放性を確保している。このトップライトは、既存の階段部分やパイプシャフト部分のヴォイドを再利用している。また、外壁には車の走行音などを緩和できるよう丸い凸凹をつけたオリジナルの金属板を巡らせている。これは、既存の外壁であるコンクリート壁との間に空気層を確保し、断熱性能の向上も意図している。再生建築には、新築の建物と違い予不能な出来事が生じることもあるが、この再生建築だからこそできる新しい可能性と創造性がある。場所の固有性、既存建物の特性など、これらの条件に向き合うことで、他にはない唯一無二の建築が生まれる。新たな可能性を見つけた時の楽しさは、たまらない。

Before

Before

解体中:2階と3階を解体した段階

解体中:必要な躯体だけの状態

解体中:必要な躯体だけの状態

Data / データ

敷地面積
325.85m²(98.56坪)
建築面積
136.47m²(41.28坪)
延床面積
136.47m²(41.28坪)
建築場所
福岡県古賀市
構造
鉄筋コンクリート造
規模
地上1階
竣工
2010年10月

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